オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
私は彼と一緒に廊下を歩く。

すれ違う女性社員たちは栗原さんを見る。

最上階の幹部フロアから滅多に下りて来ない人。

人に見られるのが苦手な私は顔を俯かせる。
俯き加減で歩いてると足の長さだろうか、彼との距離があっという間に広がっていた。

「あの…待って下さい!!」
彼は先にエレベーターホールに辿り付き、私を待って居た。

「遅いですよ…染中さん」

「何処に行くんですか?」

「社長室です」

「えっ!?」

「会長が亡くなられたのはご存知ですよね…」

「はい」

一番右端のエレベーターが停止した。

「ほら、乗って…話の続きは中でします…」

彼が三角形のボタンを押し、私を先に中へと押し込んだ。





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