【完結】イケメンモデルの幼なじみと、秘密の同居生活、はじめました。
 美波が言ったことは、心からの言葉。
 やはりいろんな感情が混ざっていたけれど、今度、一番強かったのは、『応援したい』という気持ちだった。
 夢だった、という北斗の言葉。
 夢として持っているだけではない。
 叶えようとして、今から計画しているのだ。
 とてもカッコいいし、真剣な気持ちが、痛いほどに伝わってくる。
 応援したいに決まっている。
 ……好きなひととして。
「だからさ」
 北斗はガラス窓の外から、美波のほうに、また視線を戻してくれた。
 今度は視線だけではなく、体の向きも美波に向けてくれる。向かい合って立つような形になった。
 美波の瞳をまっすぐに見つめて、北斗は静かに口を開いた。
「後悔しないように、今のうちにお前を俺のものにしておきたかったんだ」
 とくん、と美波の胸が、その真剣な言葉に反応した。とく、とくとだんだん鼓動が速くなっていく。
 北斗の瞳を見つめ返す。真剣に言ってくれているのがはっきりわかる、その瞳を。
 不意に手が離れた。
 持ち上げられ、北斗の手が美波の頬に触れた。
 どきん、と美波の心臓が跳ねあがる。
 北斗の優しい瞳を見つめるしかなかった。
 頬を包み、もっと近い場所で美波の瞳を見つめ、北斗は小さな声で言った。
「お前のことがずっと好きだった。……俺と付き合ってくれ」
 それは半日ほど前。
 学校で、校内放送で言ってくれた告白の言葉とは違っていた。
 スピーカーを通した声ではなく、本物の北斗の声だからだ、と美波はわかってしまう。
 そしてきっと北斗も、この声で届けたい気持ちだったから、ここへ連れてきてくれて、直接言ってくれたのだろうということも。
 心臓の鼓動は速くなりすぎて、ドキドキするのが体全体で感じられるくらいだったし、顔も頭の中もとても熱かったけれど。
 迷わなかった。
 返事なんてひとつしかない。
 もう、自分の気持ちもよくわかったのだから。
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