元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 当の本人はどうしてティアリーゼがそういう態度を取るのかわかっておらず、首を傾げて尻尾を振っている。

「それ、飾りなんだと思ってた」

 ティアリーゼは自分の額を撫でながら、シュクルの額を示す。

「角の話をしているのか」

「……あなた、角なんてあるのね」

「いかにも」

「痛いから今みたいなことはもうしないでほしいの」

「……痛いか」

 まるで怯えるように身を引くのが見えた。

 なぜかひどく傷付いたように思えて、ティアリーゼは咄嗟にシュクルの服の裾を掴む。

「私、あなたが思ってるより丈夫じゃないわ。たぶん、人間だから」

「……わからない」

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