元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 果たしてこれが本当に正しい状態なのかと思う気持ちは拭えなかったが、今まで知らなかった亜人という人々の生活を間近で見るのは面白い。

 いつの間にか、ティアリーゼはあまり亜人という言葉を使わなくなっていた。

 人間ではないという蔑称に聞こえるというのがその理由だったが、当の亜人たちは気にしていないらしい。

 平和に生き、過ごし、そしてたまに特別な幸せがあれば満たされる。それが彼らの生活で、人間のように必要以上のものを求めたり、他人を羨んだりはしない。だからこそ、蔑称だろうがなんだろうが基本的にはどうでもいい。

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