元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 それを微笑ましく思っていたのも束の間、手紙を持つティアリーゼの手がこわばった。

(……これ)

 そこに書いてあったのは懐かしい筆跡。

 タルツにいる父王からのものだった。

「……シュクルは今、お仕事中?」

「ティアリーゼ様が会いたいとおっしゃるなら、休憩中になりますね」

(仕事を中断させるのは申し訳ないけど、伝えるべきことよね)

「わかったわ。ちょっとだけ休憩にしてもらいましょう」

「私、ここでお掃除をしていてもいいですか?」

「ええ。いつもありがとう」

「いいえ!」

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