元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 それはシュクルと同じく大陸の一部を治める魔王のもの。

「……叱られそうだ」

「それで王のお心が変わるのなら願ってもないことです」

 しゅん、とシュクルの尾が床にへたる。

 気乗りしていないのは火を見るよりも明らかだった。

 そうして、シュクルは自ら治めるレセントの、最も高く険しい山に向かった。

 人間では決して到達できないその山の頂上に、誰が建てたか白亜の城がある。

 そこは五つの大陸を治める魔王たちが集う城。

 百年振りに会うこともあれば、昨日振りに会うこともある。

 今回は実に数年振りの再会となった。

「よう、シュシュ」

「クゥクゥ」

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