元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「また年寄りくさいと言われても知らないよ。ふたりを子供だと言うなら、君も大人になりなさい」

「マロウは大人っつーより爺ちゃんだよな」

「キッカ、人の話にくちばしを突っ込むのはやめるよう言わなかったかな」

「忘れちまったよ。俺、鳥頭だし。な、シュシュ」

「私に振らないでくれ」

「……くだらない」

 ふい、とグウェンは背を向けて部屋の奥に陣取った。

 円卓の椅子に座らないのは、せめてもの反抗だろう。

 それを紅狐のマロウは苦笑して見守った。

「元気にしていたかい、シュクル。若いのに君も大変だね」

「それほどでもない。そちらも先年の水害で苦労したと聞いた」

「ああ、あれか」

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