元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
マロウの治める地は複数の島々からなる南の国々。海に囲まれた地は問題も多く、特に昨年は大嵐でいくつもの島が沈んだという話だった。
「おかげさまでどうにかなったよ。ほら、うちは人間と我々の間に境目がないものだから、皆、協力し合うことに抵抗がない。困ったときはお互い様というものだね」
「わからない。先日、人間が我々の巣の一部を襲って回った」
「シュシュ、また会話飛んでる」
どうしても黙っていられないキッカがやはり口を――くちばしを突っ込んでくる。
そこに、だん、と鈍い音が響いた。
音の先には、既に椅子に腰を下ろしている魔王がひとり。
「おかげさまでどうにかなったよ。ほら、うちは人間と我々の間に境目がないものだから、皆、協力し合うことに抵抗がない。困ったときはお互い様というものだね」
「わからない。先日、人間が我々の巣の一部を襲って回った」
「シュシュ、また会話飛んでる」
どうしても黙っていられないキッカがやはり口を――くちばしを突っ込んでくる。
そこに、だん、と鈍い音が響いた。
音の先には、既に椅子に腰を下ろしている魔王がひとり。