元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼが生粋の姫ではなかったと聞いても、どうしてわざわざそんなことを報告してきたのかわからない――と言いそうだった。

 薄く笑みを浮かべたティアリーゼを不審に思ったのか、エドワードは再び口を閉ざす。

「お前は供物として、魔王に食らわれるために育てられてきた。レセントにあるどの国よりも、このタルツが繁栄するように」

「……そうですか」

 こんなに凪いだ気持ちで聞けるとはティアリーゼ自身思ってもいなかった。

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