元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
食らわれると聞いたところで、シュクルがそうするとは思えないのを知っているからかもしれない。食事をしている姿は見たことがないが、人間の肉よりも果物や甘い菓子を好みそうに見えた。
あちらへ戻ったら、タルツに伝わる菓子を作ってみようと思い立つ。シュクルはきっと喜ぶだろう。白銀の尻尾をぱたぱたと振って。
手ずから食べさせるところまで想像してから、ふとティアリーゼは現実に戻ってきた。
兄の訝しげな目を見て、ごまかすように咳をする。
「それで、お兄様はどうしたいのでしょう。わざわざその話をするためだけに私を呼び出したとは思えませんが」
「わかっているなら話は早い」
あちらへ戻ったら、タルツに伝わる菓子を作ってみようと思い立つ。シュクルはきっと喜ぶだろう。白銀の尻尾をぱたぱたと振って。
手ずから食べさせるところまで想像してから、ふとティアリーゼは現実に戻ってきた。
兄の訝しげな目を見て、ごまかすように咳をする。
「それで、お兄様はどうしたいのでしょう。わざわざその話をするためだけに私を呼び出したとは思えませんが」
「わかっているなら話は早い」