元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
外に出ると、ティアリーゼはここへ来る際に渡された笛を取り出した。
吹き口を唇に挟み、す、と息を吸った後、勢いよく吹く。
ぴぃ、と鳥の鳴き声に似た甲高い音が蒼空に響き渡った。
白い雲がふたつ頭上を流れた頃、遠くから近付いてくる大きなカラスに気付く。
「すんません、姫さん! 遅くなりまして!」
「ううん、いいの。こんなところでごめんなさい。本当はもっと城から離れた場所の方がよかったんでしょうけど……」
「いいんですいいんです、姫さんに雑踏を歩かせられませんから」
気のいいカラスは、来た時と同様、ティアリーゼに背を向ける。
「……街で嫌なことはなかった?」
吹き口を唇に挟み、す、と息を吸った後、勢いよく吹く。
ぴぃ、と鳥の鳴き声に似た甲高い音が蒼空に響き渡った。
白い雲がふたつ頭上を流れた頃、遠くから近付いてくる大きなカラスに気付く。
「すんません、姫さん! 遅くなりまして!」
「ううん、いいの。こんなところでごめんなさい。本当はもっと城から離れた場所の方がよかったんでしょうけど……」
「いいんですいいんです、姫さんに雑踏を歩かせられませんから」
気のいいカラスは、来た時と同様、ティアリーゼに背を向ける。
「……街で嫌なことはなかった?」