元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
(……一応、ごめんなさいって言っておくわ)

 ティアリーゼの言い分を聞き入れてくれたことにはほっとする。

 とはいえ、こんなふうに何度もごまかし続けるのは厳しい。

「……ごめんね」

「なにを謝っているのかわからない」

「あなたの求めていることに、まだ応えられないから……」

「まだならいい。いつまででも待てる」

 囁いて、シュクルはまたティアリーゼを抱き寄せる。

「お前に会うまで、四百年待てた」

(……熱烈よね、本当に)

 シュクルがこうだから、ティアリーゼも好きになってしまった。

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