元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 そのときは改めて、この先のことを考えようと思った。



***



 ティアリーゼがシュクルと攻防を続けていたある日のことだった。

「私を紹介? 誰に?」

「クゥクゥに」

(……誰?)

 ティアリーゼを紹介したいと言ってきたシュクルは、初めて聞く名前を口にする。

 本人はここでどんな人物か紹介するつもりがないらしい。

 さっさと外へ行こうとティアリーゼを急かしてくる。

「お前に会いたがっている。ずいぶん前から」

「そうなの……?」

(家族はいないって聞いていたし……。でも、お友達がいるのはいいことね)

「あなたのお友達なら私も会いたいわ」

「少しうるさい」

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