元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「そんじゃなにしたんだよー。こないだはほら、ギィとかみんなうるさかったじゃん? 俺だけなんだし、好きなだけのろけていいぜ! ほらほら!」

「ティアリーゼが困っている」

「あ、そっか! そんじゃそっちと喋るわ!」

(えっ)

「今日は街を歩く日だ」

「えー、いいじゃんいいじゃん。歩くの苦手なんだよ。地面近くて頭痛くなる」

「我慢しろ」

「お前みたいに地面ずりずり動くの嫌いなの!」

「ずりずりしない」

「してるだろー。俺から見りゃ充分ずりずり」

 今まで明るく賑やかな人が周りにいなかったせいで、シュクルがそんな相手と絡んでいることに違和感にも似た気持ちを覚える。

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