元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 しかし、シュクルが嫌がっているようには見えなかった。

 表情はともかく、尻尾が楽しそうに跳ねている。

「まあいいや、歩きたいなら付き合うよ! んで、どこ行く?」

「クゥクゥ、うるさい」

「えー」

「楽しい方なんですね、キッカさんって」

「そう? 俺からすりゃシュシュのがおもしろいよ。人間に好き好き言ってんだもん。くちばしもねぇのになー」

「くちばしって大切なものなんですか?」

「そりゃあやっぱり立派な方がいいだろ?」

 鳥の亜人にはなにかしらの美学があるようだった。

 確かに先日世話になったカラスも仮面を付けていた、と考えながらティアリーゼはいくつも質問する。

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