元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 逃げまどっていた亜人のひとりがとうとう捕まってしまう。くちばしの付いた仮面を付けていることから、鳥の亜人だということはわかった。

 それを見てキッカが低く唸る。

「シュシュ、“翼狩り”だ」

「それは困る」

「あの、翼狩りってなんでしょう」

 思わずそう尋ねていたが、ティアリーゼには薄々想像できていた。

 亜人を捕らえる人間の集団。嫌な予感がしないわけがない。

「俺たちを狩って、身体の一部を売りさばく連中さ。最初にやられたのが鳥だったもんでそう言われてる。でも連中の狙いは鳥だけじゃねぇ」

「……なんて、むごい」

< 209 / 484 >

この作品をシェア

pagetop