元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 なにをするのか聞いて、ティアリーゼは自分の知っている言葉に置き換える。

 ――亜人狩り。

 獣の身体を持った亜人は人の間で取り引きされている。身体の一部が薬になる、飾りになる、単純に狩りの証として、ときには奴隷として――。その目的は様々だが、やることに変わりはない。

 彼らは亜人を狩り、その翼や毛皮、ときには瞳や牙を売りさばくのだ。

(街まで来て狩りをするというの)

 今まではそういった行為に眉をひそめこそすれ、本気で嫌悪を感じたことがなかった。

 人間に仇なす害獣を駆除している、というのが彼らの言い分だったからだ。そして、ティアリーゼはそういうものなのだと思っていた。

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