元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「平気平気。全員、二度と外歩けねぇように目ん玉えぐり出してやる。俺ひとりで充分さ」

「あの人数をひとりでなんて無理です! 私にも戦いの心得はありますから――」

「俺、ただのお喋りな鳥じゃねぇんだわ。だから大丈夫」

「でも!」

「ティアリーゼ」

 シュクルがそっとティアリーゼの名を呼ぶ。キッカのもとへ駆け寄ろうとしたその身体を引き留め、その状態のまま人間たちを睨む金鷹の魔王に向かって声をかける。

「手伝わなくていいのか」

「いらねぇ」

「わかった」

「わかっちゃだめでしょう! 大事なお友達なのに……!」

「おいおい。あんた、シュシュの友達ってのがただの鳥だと思ってんの?」

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