元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 巨大な鷹に姿を変え、あれだけの人数を前にしても無事に戻ってきたキッカはともかく。

(……そういうことを言うのは、ちょっぴり魔王っぽいわね)

 ティアリーゼは疑問をそうまとめた。

 シュクルの中身は幼い雛で、会話はぎこちなく、説明の仕方に悩んでも言葉の使い方にはあまり悩まない。過激な発言もほかに言い方が思いついていないだけの可能性がある。

 だいたい、ここで考えてみても仕方のないことだった。

 いつかシュクルが人間を滅ぼそうと思うときなど、来るはずがないのだから。

 そう思っていると、キッカがティアリーゼの方を見る。

「んで、心配してくれてたんだっけ? 悪いなー」

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