元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「あ……いえ、金鷹の魔王だと知らず、逆に失礼でしたね」

「失礼なんて思わねぇよ。ただ、あんまりそういう経験ねぇから、風切り羽のとこがくすぐったいわ」

「私にはちょっとわからない感覚です、が――っ!?」

 ずい、とキッカに近付かれ、ティアリーゼはのけぞった。完全に引ききる前に、仮面のくちばし部分で肩をこすられる。

「シュシュのことも好きだけど、あんたのことも気に入ったよ」

「クゥクゥ」

 明らかに不快感を示したシュクルを見て、キッカが明るく笑った。

「お前もそんな顔するんだなぁ。いっちょまえに嫉妬なんてできるのか」

「これは私のだろう」

「ひあっ!?」

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