元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
(本当に嫉妬しているんだわ)

 ぞくりとしたものを感じたのはなぜなのか。

 ティアリーゼを見つめる瞳がやけに狂おしいからか、それとも。

「お前は私になにもしたくないのか」

 シュクルは言い方を変えてティアリーゼに問う。その様子にまたぞくりとしつつ、ティアリーゼは恥ずかしさを押し隠しながら本心を告げた。

「手を握りたいとか、抱き締めたいと思うわよ」

「それは私だけの行為か?」

「あなたのためだけのものかと言われると……怪しいかもしれないわ」

「人間はどのようにする?」

「えっ? なにが?」

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