元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
どんな求愛行動をされても受け止める、と態度で表しているようでもあった。
(しなきゃだめかしら……本当に……)
ティアリーゼにそんな経験があるはずなどない。
どういうものか知識としてはわかっているし、昔読んだ物語では天にも昇るような気持ちになるだとか、なんだとか書いていたのも覚えているが。
「ティアリーゼ」
急かすように名を呼ばれ、腹をくくる。
ティアリーゼはゆっくり深呼吸すると、シュクルの肩に手を添えた。
「……頑張るから、そのまま動かないでいてね」
「頑張る?」
「いいから、じっとしていて」
(まさか、こんな日が来るなんて)
(しなきゃだめかしら……本当に……)
ティアリーゼにそんな経験があるはずなどない。
どういうものか知識としてはわかっているし、昔読んだ物語では天にも昇るような気持ちになるだとか、なんだとか書いていたのも覚えているが。
「ティアリーゼ」
急かすように名を呼ばれ、腹をくくる。
ティアリーゼはゆっくり深呼吸すると、シュクルの肩に手を添えた。
「……頑張るから、そのまま動かないでいてね」
「頑張る?」
「いいから、じっとしていて」
(まさか、こんな日が来るなんて)