元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼの疑問がこぼれ落ちる。仲間たちは当然答えず、立ち尽くす彼女を振り返りもしなかった。

 代わりに口を開いたのは、同じく困惑を顔に浮かべた魔王その人。

 人ならざる者と言われて頷ける、生気の薄い、抜けるような白い肌。額にひし形をした紫色の石のようなものがあり、おそらくはなんらかの装飾だろうと推測される。

 髪は長く、雪が降った朝のような銀色をしていた。あくまで銀であって白ではないらしいと、反射する光を見て思う。

 瞳の色は形容しがたい深い青。紺青と呼ぶには明るく、水色と呼ぶには濃い。ただ、とても透き通った色をしている。

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