元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 どことなく冷たい雰囲気を漂わせた魔王は、ティアリーゼを見て微かに目を細めた。

「どういうことなのか、私も聞きたい」

 なぜ敵である魔王が、勇者である自分と同じ疑問を抱いているのか――。

 しかし、その答えは与えられなかった。

 わけもわからないまま武器を取り上げられ、仲間たちと引き離されて、城の奥へと連れ込まれる。

 放り込まれた部屋は、なんの変哲もない普通の部屋だった。ベッドがひとつに、小さなテーブルがひとつ。それから、ソファ。ティアリーゼが生活していた部屋と大きな違いはない。

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