元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「父は兄たちを取り込もうとした。私も同じようにすれば、寿命など関係ない」

「おい、シュシュ――」

「……いや、だめか」

 閉じた窓に手を這わせると、シュクルは小さく鳴き声を上げた。

「そうしたら、触れてもらえなくなる。……それは困るな」

「こえー。本気で食うつもりかと思ったじゃん」

「本気だが」

「でも違うなって自分で思ったんだろ」

「いかにも」

「賢くなったなぁ」

 キッカもシュクルの隣に来る。ふたりが並ぶと、シュクルの長身が目立った。細身なのもあって余計に背が高く見えるのかもしれない。

「雛だった時間、あんなにあったのに。ここ最近、一気に成長してる」

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