元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 やがて息が詰まりそうになった頃、ティアリーゼよりもずっと年下に見える少女が勢いよく立ち上がった。

「ティアリーゼ様はこれでいいんですか!? 亜人との結婚なんて……!」

「やめなさい、ミリア!」

 ほかのひとりが少女を止める。

 それでも、ミリアと呼ばれた少女は黙らなかった。

「いくらこの国のためだからって、こんな結婚はひどすぎます!」

(……え?)

「ティアリーゼ様が犠牲になることなんかないです! せっかく無事に魔王のもとから帰ってこられたのに!」

(……私ってどういう風に伝わってるの?)

「あの、ちょっといいかしら」

 鼻息を荒げているミリアにそっと声をかける。

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