元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 その目は、先ほど憤っていた人物とは思えないくらい興奮に輝いていた。

「私、今回の結婚について誤解していました! このお詫びは最高のドレスを作ることでさせていただきます!」

「私もそうさせていただきます!」

「ティアリーゼ様、私も……!」

 各地から似たような声が上がり、すぐにてきぱきとまたドレス作りが始まる。

 これまでの沈んだ声でなく、はきはきと明るい声で次々と指示が飛んだ。いまいち乗らなかった調子もぐんと上がったようで、作業の速さが段違いになっている。

「寸法を測りますので、そちらに立っていただけますか!」

「う、うん、わかったわ」

(誤解は解けたけど……)

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