元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 まだ顔を覆っていたかったが、寸法を測るなら手は身体の側面に下ろしていなければならない。

 なんだかおかしなことになってしまったと恥ずかしさをこらえる。それでも、ここにいる僅かな人たちに受け入れてもらえたことが嬉しかった。



***



 結婚式に向けての準備は着々と進んでいるようだった。

 あまり詳しく知らないのは、当日までのお楽しみだと見せてもらえない部分が少なくないせい。

 ティアリーゼが把握しているのは、それこそドレスくらいだった。

(どこで式をするか、って話をしなくちゃいけないんじゃないかしら……?)

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