元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「直接、結婚のお祝いを伝えたいと思っていらっしゃるのかもしれませんね」

 メイドが柔らかく微笑んで言う。

 確かにその可能性もある、と考え、本当に兄との関係も変わったものだとティアリーゼも温かい気持ちになった。

「そういうことならお待たせする方が失礼ね。すぐに向かうわ」

 メイドに礼を言い、兄の部屋へと向かう足取りは自然と軽くなった。



***



「失礼いたします」

 エドワードはすぐにティアリーゼを出迎えてくれた。

 少し疲れた顔をしているのは、長きに渡る公務が理由だろう。

「まずはご公務、お疲れ様でした」

「ああ、まあな」

「私になにかご用でしょうか?」

< 338 / 484 >

この作品をシェア

pagetop