元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「もしくは斬るのかも……?」

 いまいち薄い反応にどう対処すればいいのか。

 そんあティアリーゼに向かって、シュクルは感心したように呟く。

「お前は力が強いのだな」

「えっ、う、うん?」

(そう来る?)

 殺しに来たと言っているにもかかわらず、あまり気にした様子がない。

 レレンも読めない男ではあったが、シュクルはそれを遥かに超える。これが人間と亜人の差なのかと、ある意味衝撃的だった。

「私はお前になにかしただろうか」

 シュクルはさらに質問を続ける。会話ができているように見えて、なにかが噛み合っていない。得体の知れないものを相手にしている居心地の悪さを感じた。

< 35 / 484 >

この作品をシェア

pagetop