元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 不思議と、ティアリーゼの周りだけは被害が少ない。竜の形を取り、人の想像する真の魔王の姿と成り果てても、シュクルが誰を守ろうと行動しているのか理解する。

 霞む目をこすり、ティアリーゼはシュクルのもとへ向かおうとする。

 猫が獲物を捕らえて遊ぶように、竜は軽く跳ねて建物の上に降り立つ。崩れた建物の中から悲鳴が聞こえた。

 シュクルはゆっくりと顔を動かした。かと思ったら、建物から飛び出した人間に向かって口を開く。

< 371 / 484 >

この作品をシェア

pagetop