元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
今もシュクルはティアリーゼを目の前で失いかけて傷付いている。
「シュクル」
いつの間にかもう兵たちの姿はほとんどなくなっていた。ばらばらになった肉片につまずき、込み上げそうになるものをなんとか飲み込む。
動いたおかげで矢による痛みが薄れ、麻痺していた感覚が戻りかけていた。
(意識だけは失わない。私が気絶したら、誰もあの人を止められなくなる)
「シュクル」
ティアリーゼは荒ぶる魔王の名を呼ぶが、届かない。
シュクルはティアリーゼ以外に唯一残していた人間のもとへ向かおうとしていた。
「シュクル」
いつの間にかもう兵たちの姿はほとんどなくなっていた。ばらばらになった肉片につまずき、込み上げそうになるものをなんとか飲み込む。
動いたおかげで矢による痛みが薄れ、麻痺していた感覚が戻りかけていた。
(意識だけは失わない。私が気絶したら、誰もあの人を止められなくなる)
「シュクル」
ティアリーゼは荒ぶる魔王の名を呼ぶが、届かない。
シュクルはティアリーゼ以外に唯一残していた人間のもとへ向かおうとしていた。