元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「ときどき、鳥を送ってくださると助かります」

「覚えていたらそうする」

(シュクルが連絡を忘れたら、私がしよう……)

 トトが心配しすぎてしまわないようにとそう心に誓う。

 そうしてふたりは歩き出した。見送るトトはもちろん、見慣れた城もどんどん遠ざかっていく。

「結局、目的地は特に決めていないわよね。どこへ行きたいか希望はあるの?」

「東へ。グウェンに会う」

(あら、ちゃんと目的があったのね)

「グウェンさんは藍狼の魔王だったかしら。仲良しなの?」

「いや?」

「じゃあ結婚のご挨拶とか?」

「そんなことをしたら噛まれる。グウェンは人間が嫌いだからな」

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