元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「……ああ、そっか。だから心なしか昨日よりつやつやしているのね」



 古い皮を脱ぎ捨てたシュクルの頬は、悔しいことに素晴らしい肌つやをしていた。触れればもちろん、赤子かそれ以上の滑らかさと弾力がある。



(これで四百歳……)



「私の調子がいいのは、昨夜お前を――」

「次は一週間お手入れなしだからね」

「…………まだ言っていない」



 ぺたりとシュクルの尻尾が床にへたってしまう。

 見れば、その尾の先にティアリーゼが拾い集めた皮と同じものが張り付いていた。

 しゃがんでそれを取ってみる。気持ちよくぺりぺり剥がれていい気分だった。



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