元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 部屋なのだから椅子に座ればいいのに、そうしない辺りが『変わり者の夫婦』だった。



「私が綺麗なのかわからない。個人的には不完全で醜いとすら思っている」

「私は好きよ。白い鱗が雪みたいで素敵だわ」

「……それはよい褒め方なのか」

「あなたたちの感覚ではどうなのかわからないけれど。……あなたのはちょっといやらしいのよね」

「なにが?」

「全部が」

「わからない」



 ふん、とシュクルが鼻を鳴らす。

 やはり納得がいかないようだった。これを理解させるのは骨が折れるだろう。

 しかし、シュクルはすぐにまた表情を変えた。

 きゅるんと青い瞳がきらめく。



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