元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 シュクルが把握しているのは自らが治める大陸レセントの地理と、どこにどういった種族が住んでいるか、問題の多い地域はどこか、といった程度である。

 先日、雨期で治水を行う必要があるという話をトトに聞かされた。泳げないものは皆弱いのだから仕方がないと思っていたが、側にいたティアリーゼが真剣に考えているのを見て、少しだけ考えを改めた。

 正直なところ、シュクルはティアリーゼ以外のものに興味がない。

 しいて言うのなら、ときどきやってくるキッカが意識の範囲内にある。シュクルにとっては、会話を学ぶいい検体だった。

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