元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 本来の目的を思い出し、ティアリーゼは改めてシュクルを見上げた。

「あなた、私のことを王妃って紹介しているの?」

「いかにも」

「勝手に決めないで。まだ承諾していないわ」

「まだ」

「……そういうところを突っ込まなくてもいいのよ」

「勝手に話を進めるな、人間」

 ぴしゃりと鋭い声がして、はっとそちらの方を見る。先ほどシュクルは忙しいと言った男だった。

「トト、うるさい」

 シュクルが微かに眉を寄せながら言う。彼の名前はトトと言うようだ。

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