元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「トトがティアリーゼを殺さないよう、お前が見張っていろ」

「は、はい……!」

「では、仕事に戻れ」

「承知いたしました!」

 ぴょこんとメルチゥが頭を下げ、そそくさと部屋を出て行く。

 扉が閉じるとほぼ同時に、トトはシュクルを咎めるように見た。

「王、あなたは……」

「待って」

 トトとティアリーゼが声を発したのはほぼ同時だった。

「ちゃんと説明しないと、トトさんも困ると思うわ。……私もいまだによくわかっていないことだらけだし」

「もう諦めたのかと思っていた。ずっと部屋でおとなしくしていたから」

「……私の諦め待ちだったの?」

「単に忘れていただけだ」

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