元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「忘れたって……私がここに来てから何日経ったと」

「わからない。私には一瞬のことだった」

(時間の流れからして私とは違うのかしら。……四百歳以上なんだものね)

 今回もまともに会話ができそうになかった。

 それならば、とティアリーゼはトトの方へ向き直る。

「トトさん、でしたね」

「馴れ馴れしく呼ぶな、人間」

「……ほかに呼び方がわからないので許してください。恐らく誤解があると思うので言っておきますが、私はこの人の妻になるつもりはありません」

「まだと言ったはずでは」

「シュクル、お願いだから口を挟まないで」

 先ほど、まだ承諾していないと言ったのが悪かったらしい。

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