元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 そう予想できる程度には懐かれているのを自覚している。

 触れたから好意を抱いた、という理由にはいまだに納得できていないが。

「ときに、ティアリーゼ。聞きたいことがある」

「なに?」

「……王、まだ政務の最中ですよ」

「だから聞いている」

 再び咎めたトトを黙らせると、シュクルはティアリーゼに一枚の地図を広げてみせた。

 ティアリーゼとメルチゥが来る前、これを机に広げてトトと話し合っていたらしい。

「この地域で人間が我々の巣を壊して回っている。なぜ、人間はそのような真似をする?」

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