元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 横に座ったら座ったで、どうしてもティアリーゼにくっついていたいらしく、思い切り寄りかかる。

「あのね、あなたを支えられるほど大きくないの。自分が結構大きいって自覚ある?」

「だからこうして過ごしている」

「全然会話になってない」

「お前は私に遠慮がないな」

「あなたがそれを言う?」

「私だから言う」

(もう、どう返したらいいのかわからない)

 もし、愛玩動物として飼っている獣が言葉を扱ったらこういう話し方になるのだろう。そう思わずにはいられないほど、シュクルは会話が不自由だった。

「……私が人間だからそういう話し方をしているわけじゃないわよね」

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