元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ティアリーゼはそう感じる自分を受け入れる。

「……昨日の話について、聞いてもいい?」

「どれのことを言っている」

「あなたが……人としか子供を作れないって話。あれはどういうこと?」

「そのままの意味だが」

「だから私に……その……要求をしてくるということかしら」

「いや」

 肩に乗っていた重みがなくなる。

 横を見ると、シュクルが穏やかな瞳でティアリーゼを見つめていた。

「お前がなにであれ、私は求めていた」

 その囁きに鼓動が速くなる。

 どこまでも純粋でまっすぐな思いがティアリーゼの胸を突いた。

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