見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
あのヤギサワホールディング、しかも副社長、ってか苗字、八木沢だけどと、目の前の彼の正体を知り、両親は真顔に、圭人は殴らなくて良かったと天を仰いだ。
その後は、軽くお酒が入って陽気になった父からお酒を勧められ、和哉さんは躊躇いなく飲んでしまったため、そのまま一泊することに。
初めの頃は私の隣でじっと和哉さんを観察していた勇哉だったが、食事が終わると徐々に和哉さんとの距離を詰めていった。
お皿を洗い終えてリビングに戻ってきた頃には彼の膝の上に座っていて、水族館に行く約束を取り付けて大はしゃぎしていた。
父はお風呂に入った後、自分の部屋へ。その後、母が勇哉をお風呂に入れてくれて、圭人は明日の準備をすると店舗へ。
私が和室で和哉さんの布団の準備をしている間に、彼は「車に忘れ物をした」と駐車場に向かい、入れ違いでパジャマ姿の勇哉がやってくる。
和室で勇哉と遊びながら彼を待っていたが中々戻らず、先に布団でゴロゴロし始めた勇哉がウトウトし始めてしまう。
「勇哉、ここで寝ちゃダメよ。二階行こっか」
話しかけると、勇哉は首を横に振る。
眠い目を擦りながら「おそいねー?」と繰り返すのは、和哉さんが戻ってくるのを待っているからに他ならない。