見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
不安にかられて落ち着かないままに人の流れを見つめていると、和哉さんからメッセージが届いてホッと笑みを浮かべた。
彼が乗る電車は、二つ前の駅を通過したところらしい。
彼がやって来る瞬間を待つこの時間はいつも楽しみではあるけれど、反面、何事もなく来てくれますようにと不安になるのだ。
普段は車で実家に来るから余計過敏になってしまうのかもしれないけれど。
やがて到着のアナウンスが流れ、少し遅れて電車を降りた人々が改札口へと押し寄せてくる。探すまでもなく、長身の和哉さんの姿がすぐに視界に飛び込んできた。
スーツの凛々しい姿も惚れ惚れするけれど、シャツの上にテーラードジャケットを羽織り、チノパンのカジュアルな装いも、爽やかで素敵である。
彼もすぐに私たちに気づいて軽く手を振り、改札を抜けると少し足早になりながら真っ直ぐこちらに向かってくる。
勇哉が嬉しそうに和哉さんに駆け寄り、私もベビーカーを押しつつ歩み寄った。
「迎えありがとう」
「和哉さんこそ、のんびりしたいところなのに会いに来てくれてありがとう」
和哉さんと微笑み合えば、さっきまでの不安など綺麗さっぱり消えていく。