見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
和哉さんが買ってきてくれた、リンゴやオレンジ、グレープフルーツにマンゴーなどを、食べやすい大きさにカットしていると、母と圭人がリビングにやって来る。
お茶の準備もできた頃には父もふらりとやって来て、フルーツをひとかけふたかけ食べた後、和哉さんに「ゆっくりしていってくれ」と声をかけ、お店に戻っていった。
和哉さんがイケメンすぎると、ご近所さんたちがざわついている話を三十分ほどしてから、圭人はお店へ戻り、母は回覧板を持って隣の虹川さんのところへ。
再び三人になった所で、私は空いたお皿を持って立ち上がり、カウンターキッチンからふたりの姿を盗み見る。
和哉さんはソファーに座って勇哉のアルバムを眺めていて、勇哉は彼の膝枕でごろごろしている。
すっかり気を許し合っている様子に、私までほっこりする。
ふっと和哉さんが視線を上げて窓に目を向ける。耳を澄ませば、窓を叩く雨音が聞こえて来た。
「やっぱり雨降ってきちゃったね」
「あぁ」
返ってきた彼の声音は思いの外弾んでいた。不思議に思っていると、和哉さんが静かにアルバムを閉じた。
勇哉の頭を膝の上からソファーへそっと下ろして、和室に畳んで置いてあるブランケットを手に取った。