見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました


「和哉さんと一緒になりたいんでしょ? 自信を持って、堂々と幸せを掴みに行きなさい。和哉さんはもちろん、和哉さんのお母様も、あなたたちふたりを喜んで受け入れてくれるわ」

「……そうかな」


本当にそうなるといいなと母に笑い返すと、母の向こう側に父も並び立った。


「和哉くんは圭人が撮り溜めた勇哉の映像を嬉しそうに、でもとても寂しそうに見ていたぞ。関われなかったことが悲しかったんだろうな。だからここからは、和哉君とふたり足並みを揃えて、笑ったり悩んだりしながら、勇哉を見守っていくべきだ」


産まれたばかりの勇哉の姿や、よたよたと歩き始めた姿を和哉さんに見せることができたのは圭人のお陰だ。

そして私も、動画やアルバムを見つめる和哉さんが、ふいに寂しそうな顔をする時があるのに、気付いていた。

両親の言う通りだ。和哉さんたちが勇気を持って私に歩み寄ってくれたのだから、今度は私が過去を振り切って歩き出す番だ。


「お父さん、お母さん、ありがとう。ふたりとも大好き!」


背中を押してくれた両親に笑いかけてから、私は勇哉を抱きしめて、柔らかな頬にキスをした。

リビングに戻ったあと、子ども向けのアニメが見たいと勇哉にねだられ、録画を再生する。

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