見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
テレビの前ではしゃいでいる勇哉に微笑みながら、あぁそうだとスマホを手に取った。
お母さんが来たことを早めに和哉さんに伝えておかなくちゃと、慌ててメッセージを送信する。
すると、程なくして和哉さんから着信が。
「家にいないと思ったら、そっちに行ってたんだな。迷惑かけてないか? また嫌な思いをさせてしまったなら代わりに謝るよ」
「そんなことまったくないから、大丈夫。……ところで、倒れたって聞いたけど、大丈夫?」
疑わしさいっぱいに問いかけると、和哉さんが「あはは」と元気に笑う。
「今の俺、情緒不安定で、か弱い設定だから」
「なかなかの演技派のご様子で」
今度は自分たちの笑い声が重なって、ただそれだけで胸が温かくなる。
心が落ち着いたところで、今度はしみじみと話しかけた。
「和哉さんのお母さんに、何回も謝られちゃった」
「そっか。まぁ、何度謝ったって足りないくらいだけど」
「……あと、勇哉を見てあなたの子どもだってわかったと思う」
「勇哉と会ったなら、余計後悔しただろうな」
泣き崩れる和哉さんのお母さんの姿を思い返しながら、私は小さく「うん」と呟く。