見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
どこにいるだろうと辺りを見回しながら公園内へと足を踏み入れるも、すらりと高いその姿をなかなか見つけることができない。
とっくに着いているはずなのにと、彼を探しながらゆっくり進んでいくと、木々の陰になっている東屋にやっと和哉さんを発見する。
次の瞬間、思わず足を止めてしまったのは、彼のとなりに見覚えのあるショートカットの女性がいたからだ。
金城さんがなぜここにと動揺が広がり、彼の元に行くのに躊躇が生まれる。
彼女が羨ましかった。私が彼女だったら、彼のご両親にも手放しで喜ばれ、和哉さんの後ろ盾にだってなれるのだ。
先日、和哉さんのお母さんが、私が必要だと言ってくれたけれど、金城さんよりも自分が上だなんて、自惚れることはできない。
望まれていたのは、彼女を通して見えている金城グループという大きな組織なのだから。
和哉さんのそばに私が戻ったら、いずれ心の奥底でがっかりする時が来るかもしれない。
右足が半歩後退し、靴底がジャリッと音を立てた。私はわずかに目を閉じて、歯を食いしばる。
ダメ。ここで逃げたら何も変わらない。
私は社長令嬢ではないけれど、父の娘であることを誇りに思っている。