見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました

彼は金城さんを片手で押しやってから、一足飛びに私たちの元にやって来た。

勇哉をベビーカーからおろして、そのまま片手で抱きかかえる。

和哉さんを追いかけてきた金城さんが私を見て眉間を寄せ、抱っこされている和哉さんそっくりの勇哉に唖然とする。


「……い、今、パパって。聞き間違え、ですわよね?」

「いや。この子は俺と彼女の子どもだ」

「突然そんな、こ、子どもだなんて」


もう一度彼女が私と和哉さんを交互に見て、怪訝そうに顔を歪める。


「違うわ、和哉さん。あなたこの女に騙されてるのよ。きっと他の男との間にできた子よ。そうに決まってる!」

「どの口が言う」


和哉さんは冷めた笑いとともに一蹴すると、空いている手を私の腰に回し、ぐいと引き寄せた。


「俺が愛しているのは彼女だけだと、随分前にすでに伝えてあるはずだが、覚えてないのか?」


私と和哉さんが仲良くなるきっかけとなったその出来事は六年くらい前の話。

さっと金城さんの顔色が変わり、その頃の記憶はないはずではと言う気持ちが驚愕の表情に現れる。


「そんな、だって和哉さんは……」

「記憶が戻ったんです。だからもう嘘を吐かないで。和哉さんの恋人は、私です!」

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