見捨てられたはずなのに、赤ちゃんごとエリート御曹司に娶られました
「えへへ」と喜びいっぱいに声をあげる勇哉の可愛らしい姿に幸せを感じていると、急にふっと思い出し、口を手で塞ぐ。
「私、和哉さんの記憶が戻ったってはっきり言っちゃいました。そのことをまだご両親には話してませんでしたよね。どうしよう」
「構わないよ。実は、今夜にでも両親にすべてを話したいと思ってたんだ。それを今から結衣にも話すつもりでいたし、良いタイミングだったかもな。結衣との結婚や勇哉のこともしっかり話をするよ」
それを聞いて、私は和哉さんのジャケットの袖を掴み、振り返った彼へ提案した。
「……今からはどうですか? 私たちも一緒に行きます」
和哉さんのお母さんから教えてもらった番号に、まだ私は電話をかけられていない。
連絡が欲しいと言われたことは彼に伝えてあるが、このあと私も電話をかけるタイミングについて、和哉さんと話し合おうと思っていたのだ。
結婚などこれからの話もするなら、私にとっても大切なことだし、同席したい。
それに最近、和哉さんのお母さんが、和哉さんの子どもの頃のアルバムを引っ張り出して、涙目で眺めているというのだ。
和哉さんから聞いて、きっと孫に会いたいんだろうなと切なくなってしまった。